覇気の必要性はあったのか
※結論を2015年に変更
45巻434話で突如出てきた謎の力、覇気。
作者はいつから今の覇気を考え、どのような詳細な力を持たせようとしたのか、ここでそれを考えてみる。
ちなみにこの数話前にはこんな出来事が起きている。

(45巻431話)
ギャグパートと違いルフィが本気で痛がりそれに対してサンジが大真面目に突っ込んでいるのでこの時から武装色の覇気の構想はあったと思える。
しかし突如その力を公表したら今までのストーリーとの違和感が生じると考えたのか

「愛ある拳は防ぐ術なし」
となんか曖昧に説明している。
その後SBSでもナミが殴れるのは「戒めの心」でガープと違うと言ってあくまでもガープの拳が何らかの力というのを伏せている。
しかし62巻SBSでこの拳は覇気ではなく愛だと説明があった。これは興味深い。
つまりこれを複線として扱う気は作者はないのかもしれない。なぜだ。
このガープの拳から少ししてシャンクスの覇気が登場したがこの登場のさせ方は完璧だと思う。
大海賊が発する力ということでとにかく凄いと読者に思わせることができる。
そして後々謎の力が出たら「あの時のシャンクスの力と関係があるのではないか」と突然出てきた違和感よりも興味や関連性の方向に目を向かす事ができただろう。
その結果レイリーが黄猿をサンダルで止めたとき覇気なのか、それとも海楼石なのかと悩むことになった。(自分はこの当時、海楼石が仕込まれたサンダルか覇気かで悩んだ記憶がある)
そしてこの悩みを増幅させた原因が黒ひげのヤミヤミの実。
というのも

エースを掴んだ時に防御不能の攻撃力とまで言っている。
武装色の覇気で腕を掴む事は可能なので、「まさか」と言ったエースの発言はどういうことになるか。
そして殴られた事は久しぶりという事もどういうことか。
黒ひげの発言には山ほど疑問はあるが作者しかこの時の何を考えていたか本当の事はわからない。
しかし覇気とヤミヤミの実の力は似て非なるもので、黒ひげも過信する癖があるのでこのように解釈はできる。
・防御不能の攻撃力は黒ひげの過信
・「まさか」と言ったエースの発言は自分の体が火になれないと気づいた(覇気で掴まれても火になることは出来る)
「殴られた事は久しぶり」はvs白ひげ戦以来殴られなかった(新世界の海賊でもエースと真っ向勝負出来る者はいなかった)
とこのように解釈しても別に矛盾はない。実際エースの懸賞金は5億5000万ベリーである。無茶苦茶強い。
おそらく覇気の構想と昔から考えていたヤミヤミの実の構想が際どいタイミングでぶつかったからこうなったのだろう。
これによって覇気の正体がさらに隠れるようになったと当時自分は感じた。
ここからはもし昔から覇気の構想があった場合を考えてみる。
真っ先に浮かぶのは黒ひげの台詞。

「あの覇気で」(25巻234話)
覇気という意味が本来の意味ではなく能力的な意味だったと解釈できる。そしてこの頃から覇気を発していたことになる。
これなら

(22巻204話)
血だけではなく覇王色の覇気も混じっていたと説明でき血の水分量程度で自然化無効という疑問は吹き飛ぶ。
見ようと思えば覇王色の覇気に見える
さらに遡ると
「まさかあのガキ・・・・・・!!(覇気か!?)」
覇気じゃなくホッとして笑みがこぼれる
ハッキリ言ってこれは無理矢理の力技解釈だが矛盾は起きないと思える。
こういう解釈で考えるのも真実はどうかは別として面白いかと。
例えば空島で突然出てきたゾロの飛ぶ斬撃は描写自体はそこからだが昔からドリーとブロギーの覇国という遠距離攻撃の技もあり、ミホークのガレオン船真っ二つなど飛ぶ斬撃と思われる要因はいくつかあった。
自分は飛ぶ斬撃が出てきた時そのような技の説明がむしろ出来ると思ってそんなに違和感はなかった記憶がある。
覇気もこのような感じで浸透させようと作者は考えたのではないだろうか。
ここから本題の覇気の必要性はあったのかという事に関しては、自分は出てきて大正解・・・・とまでは言わないけど結果的に別に問題なかったと思う。
もし出てこなかった場合相性か海楼石のみで対抗するしかなく、一番シンプルな海楼石での対抗策での戦いが増えると「また海楼石か」と誰もが思うようになっていただろう。
海楼石の剣、海楼石入りの手袋、海楼石入りの靴、実力者は全員海楼石装備
なんてなると物凄くセコイ戦いになりそうな気がする。(卑怯という意味ではない)
相性の問題も出て来るので最強の座があやふやで非能力者の立場がほとんどないという事になっていただろう。
そして大半の者が覇気を身につけていないという点もいい。※ただしこれはドレスローザ編を見る限りもう違う気がする
女ヶ島の人間のほとんどは覇気が使用できるのに、スモーカーのような准将で知識はあっても使えない者は多い。
コビーも「ハキ・・・・・・!?これが・・・」(60巻594話)と言っているのでなんとなく知識はあったと思える。(もしくはただ動揺しているだけか)
おそらく覇気は習得する側も大事だが、何より教える側の教育法が大事なのだろう。
女ヶ島では適切な教え方が昔からあったので誰もが使えるのだ。

「当然の力」とまで言っている(53巻516話)
しかし他では海軍すらまともな教育方法が定まってなく、
潜在能力などたまたま開花した者だけコントロールの指導をしているのかもしれない。
少年漫画でよくある習得する側の才能が肝心というのとおそらく真逆なのだ。(本当にそうなら面白い)
コビーも見聞色が身についてから「ガープに教えて貰え」と医者に言われている。
覇王色の覇気のようなごく少数しか持たない特別な力の存在もあるのでその点のバランスもいいと思う。
これならCP9が覇気を使えなかった理由は教育者が無能だったと解釈できる。
そして苦労して覇気を覚えるより肉体修行の方が強くなるという可能性もある。
コビーに説明した海軍の医者は「本来長期の鍛錬で引き出す」と言っているので並大抵じゃ身に付かないのだろう。
例を挙げると蛇姫姉妹はギア2のルフィのスピードに追いつけず攻撃されていた。
空島の神官達も結局倒されている。
下手に覇気に頼ると肉体修行が疎かになるのではないか。
つまりもしこれから良い指導者に巡り合って覇気を身につけたら基礎的な肉体修行をほぼ終えているCP9(特にルッチ)はさらに強くなるだろう。
覇気の必要性などを色々考えてみたが、いずれこのような力は必要になったと思う。(ただのゴム人間がガチガチの海楼石装備で戦って海賊王になってもなんか微妙な気がする)
ちなみに

「覇気も上がってる」(56巻544話)
覇気はそのような感覚で分かるのだろうか?
このような言い方は黒ひげしか使ってないので黒ひげなりの覇気の解釈だろうか。
覇気は基本的に表に出ず内側から発するという感じが個人的には良いと思うがこれから果たしてどうなるか。(物に込める場合も内側に浸透させるイメージ)
まあ三大将の例があるので普段から外に出ても不可視なら問題ないと思う。(黒ひげは特別にそれが見える?)
つまり結局この覇気は何を意味しているのか。
それは(2)へつづく。